私有地や来訪者用の駐車場で知らない車を見つけると、早く移動してほしいという気持ちが先に立ちます。しかし、状況によって適切な相談先や対応は異なります。まずは安全を優先し、その時点で確認できた事実を記録しておくことが、あとから説得力をもって状況を説明する助けになります。
※この記事では、駐車場オーナーや店舗・事務所の管理者が、自分で確認できる記録項目を紹介します。個別の状況に対する法的判断を示すものではありません。
最初に安全を確認する
運転者が車内にいる、口論になりそう、不審な行動がある、出入口や緊急車両の通行を妨げているなど、安全上の懸念がある場合は、撮影や声かけを無理に優先しないでください。緊急性に応じて警察や施設の管理責任者へ相談します。
車両に触れる、移動できないようにする、運転者と直接対立するといった対応は、新たな事故やトラブルにつながる可能性があります。具体的な対応が必要な場合は、警察や弁護士などへ状況を伝えて確認することが大切です。
確認した時点で残しておきたい6項目
1. 車両全体と周囲の状況
車両だけを大きく撮るのではなく、どの区画に停まっているか分かる写真も残します。 区画番号、建物、出入口、駐車条件を示す看板などとの位置関係が分かると、あとから場所を確認しやすくなります。
2. ナンバープレート
ナンバーは、別の日に確認した車両と照合するための手掛かりになります。
3. 確認した日時
車両を確認した日時を記録しておきます。
4. 確認した場所
駐車場名、住所、区画番号などを記録します。複数の区画がある場合は、どの区画を利用できなくしていたかも分かるようにします。
5. その時点で確認できた影響
契約者が区画を使えなかった、来訪者が別の場所へ移動した、出入口が狭くなっていたなど、実際に確認できた状況をメモします。
6. 連絡や警告などの対応経過
管理者への連絡、警察への相談、警告文書の設置などを行った場合は、日時と内容を残します。 警告文書を設置した場合は、車両を傷つけない方法を選び、設置時の状態も記録しておくと経過を追いやすくなります。 ワイパーに挟むなどがおすすめです。 強固にテープでとめたり、車両を傷つけるような方法をとった場合には、逆に相手からの損害の口実となりますので絶対に避けましょう。
一度の写真と、繰り返しの記録を区別する
同じ車両を別の日にも確認した場合、それぞれの確認日時と写真を別の記録として残します。
ただし、2回の記録があるからといって、その間ずっと駐車していたことの証明にはなりません。 迷惑車両を確認したら、できるだけ短い間隔で、繰り返し記録を残していくことが大切です。 例えば「10:00」「10:30」…のように、長時間停車していたことが客観的に推測できる間隔で記録を積み上げましょう。
私有地では警察の対応範囲が異なる
警察は私有地への無断駐車を駐車違反として取り締まることはできませんが、車両が犯罪による被害品でないかなどを調査する場合があります。
実際の対応は、場所の性質、危険性、事件性などによって異なります。公道にはみ出している、通行を妨げている、不審な点があるなどの場合も含め、判断に迷ったときは所在地を管轄する警察へ状況を具体的に伝えて相談してください。
記録を扱うときの注意
写真には、車両ナンバーだけでなく、通行人、近隣住宅、ほかの車両などが写り込むことがあります。 必要な範囲で撮影し、記録へアクセスできる人を限定し、SNSなどへ安易に公開しないようにします。
記録は相手を断定したり制裁したりするためではなく、その時点で確認した状況と対応経過を整理するために扱います。 損害の請求、車両の移動、所有者の確認など、具体的な法的対応を検討する場合は専門家へ相談してください。
繰り返す車両は、車両ごとにまとめる
撮影した写真が端末の写真一覧に散らばっていると、過去にも確認した車両か、警告後に再び現れた車両かを探すのに時間がかかります。
ナンバー、確認日時、写真、メモ、警告履歴を車両ごとにまとめておくと、次に同じ車を確認したときに過去の経過を振り返りやすくなります。